ハルノ カンゾウ

春野 寛三

男性

55歳

B型 Rh(+)

アレル
ギー
なし
身長 167.0cm
体重 71.0kg 入院時の体重は73.5㎏
住所 大阪府泉南郡熊取町熊鳥3丁目
緊急
連絡先
① 080-0000-1234
② 090-1111-4321
病名 肝硬変 胃静脈瘤
主訴 倦怠感 易疲労感
既往歴 45歳:高血圧を診断され、テノーミン25㎎1錠(朝)にて血圧コントロール中。
(現在、血圧120~130/65~70mmHg前後でコントロール中)
45歳:大腸ポリープ(内視鏡で切除)
54歳:肝硬変を指摘され1週間の入院加療。(妻と共に食事指導・薬剤指導を受けた。)
生活習慣 食事 1日3回(主食:米飯、副食:味の濃いもの)
偏食あり(野菜嫌い、牛肉、刺身が好き)
仕事上の付き合いで、夜は週に1~2回、外食することがある。
運動習慣 月1回、付き合いでゴルフに行く程度
(最近は倦怠感があり、行っていない)
嗜好 飲酒:毎晩夕食時に飲酒(日本酒 2~3合やウイスキー水割り数杯)
つまみにナッツ類やお刺身をよく食べる
喫煙:20本/日×35年
甘いもの(ケーキや和菓子)もよく食べるが、最近は控えている
睡眠 6~7時間/日(23時~6時)程度
排泄 排便 3日に1回程度(便秘傾向)、排尿 7~8回/日(夜間排尿は1回程度)
趣味 鉢植えの世話(盆栽)
ADL セルフケア:食事動作(自立)、排泄(トイレ移動)、入浴動作(自立)、更衣動作(自立)、整容動作(自立)
移動・移乗:立位動作(自立)、移乗動作(自立)
移動動作(問題ない)
備考 家族構成 妻(50歳)と2人暮らし
職業 会社員
学歴 大卒
性格 楽観的で面倒見がいい
医師指示
バルーン下逆行性静脈的塞栓術(B-RTO)を行います。
日常生活動作指示
11月5日       
安静度 自立
移動 自立
排泄 自立
清潔 シャワー可
リハビリテーション なし
食事指示
11月5日
食事 B-RTO実施までは常食1800kcal
術当日から指示あるまで食止め
注射指示
B-RTO実施時、左前腕へルートキープ ソルラクトTMR500ml
内服薬指示
テノーミン25㎎1錠(朝)、ランソプラゾール15㎎×2錠(朝)、マグミット錠330㎎×3錠(分3)は自己調整可、ガスコン錠40㎎×3錠(分3)、ラクツロース60ml(食前に20ml/回ずつ)
必要時指示
不眠時 マイスリー5㎎1錠(眠前)
血圧 収縮期血圧180㎜Hg以上/拡張期血圧100㎜Hg以上
:アダラート10㎎1錠内服しDrコール
発熱時
(38℃以上)
カロナール錠200㎎2錠/回(投与間隔6時間以上あけて)
または、ジクロフェナクNa座薬50㎎(3回/日まで)
疼痛時 ①カロナール錠200㎎2錠/回(投与間隔6時間以上あけて)
②ジクロフェナクNa座薬50㎎(3回/日まで)
便秘時 ①ピコスルファーストナトリウム内用液0.75% 10滴 ~
その他 体重測定 毎日10時

医師記録

月日 時間 # 記事 サイン
11月5日 10:00 #肝硬変
(アルコール性)

緊急入院
これまでの経過:
45歳、職場の健康診断で高血圧とγ-GPTの上昇を指摘。
50歳、健康診断でさらに肝機能低下を指摘され、精査の結果、アルコール性肝障害と診断。自宅近くのクリニックで定期受診することとなったが、特に自覚症状もなく、飲酒はやめられなかった。
ウルソデオキシコール酸錠50㎎1日3回食後処方されていたが、夕食の際は酒を飲んでそのまま寝てしまうことも多く、飲み忘れも多かった。
今回、2週間前より疲れやすさを感じていたが、仕事で疲れているせいだと思って様子をみていた。1週間前より倦怠感が強くなり当院受診。上部消化管内視鏡を実施したところ、胃に大きな静脈瘤があり、ネキシウムカプセル10㎎朝食後、アルサルミン細粒1日3包食後が処方された。肝機能高値で、肝硬変、胃静脈瘤を認めたため、B-RTO目的にて入院となる。

#合併症リスク

# 肝細胞がん:現在は指摘なし
# 消化管出血:入院時の胃内視鏡検査では出血点は認めず
# 肝機能障害
:胆汁排出機能低下➡血中ビリルビン値上昇➡黄疸・掻痒感
 アンモニア処理能力低下➡血中アンモニア濃度上昇➡脳細胞の障害
:蛋白質代謝低下➡アルブミン合成低下➡低アルブミン血症
# 血流障害
 ①門脈圧の上昇➡血漿中の水分漏出➡腹水・浮腫
 ②側副血行路の形成➡胃-Varix (+) レッドカラーサイン(RCS)
 ➡アンモニアなどの有害物質の大静脈流入➡肝性脳症リスク↑
# 肝性糖尿病のリスクあり

関西
#生理機能検査

胸部レントゲン検査:CTR 47% 肺野に異常なし
12誘導心電図検査:洞調律
腹囲:臍上96cm・最大98cm

関西
#食道静脈瘤

上部消化管内視鏡検査:
胃粘膜に青色・連珠状・発赤所見(RC陽性)の静脈瘤所見あり
腹部超音波検査:肝臓辺縁は鈍化 肝実質の萎縮傾向 を認める

関西

リハビリ記録

月日 時間 # 記事 サイン

リハビリテーションの介入なし

看護記録

月日 時間 # SOA P サイン
11月5日 10:00 入院

O:本日、肝硬変、胃静脈瘤の処置目的にて入院となる。
血圧 138/82 ㎜ Hg 脈拍 80回/分(規則的)
呼吸 17回/分 体温36.1℃
皮膚色肌色 掻爬したようなところは無し

若葉
10:00 I・C
(主治医から本人・家族へ)

肝機能の悪くなったのは飲酒によると考えます。静脈瘤は破裂すると大量出血になる可能性があり、破裂しないように治療が必要です。B-RTO実施に関する合併症リスクは心窩部の熱感・疼痛もあります。硬化剤を使用による溶血で腎不全になる可能性がありますが、血液製剤ハプトグロビンを予防的に投与します。
本人:血を吐いて倒れるのは怖いから、静脈瘤はしっかり治したい。
:先生方にお任せするしかないです。静脈瘤へ行う処置はどんなものかよくわからないし、退院した後、普通のものを食べさせていいのか、普通に生活させていいものか心配。
治療処置について、本人と家族の同意を得る。特に質問はなし。

I・Cで分からないことがあればいつでも質問するよう、家族に伝える 若葉
13:00 #1(処置前)不安

S:入院して、ちゃんと治せるのかなって思ってさすがに昨日の晩は眠れなかったよ。
O:明日のB-RTO実施にあたり、絶飲食期間や方法について説明し、理解力良好。不安気な発言あり。表情は穏やか。
血圧 138/82㎜ Hg 脈拍 80回/分(整)
体温 36.3℃ 呼吸 16回/分 SpO2 98%
食事: 8割/8割摂取
排便:1 回 茶色普通便あり

21時以降絶食
翌朝6時以降絶飲食を説明
若葉
11月6日 9:30 #1(処置前)不安

S: 緊張しているのかなあ、、、
O: 落ち着かない様子あり。
血圧 142/80 ㎜ Hg 脈拍 96回/分(整)
体温 35.8℃ 呼吸 16回/分 SpO2 98%

左前腕へルート確保 ソルラクトTMR500ml 若葉
9:50 10:00~13:30
B-RTO実施(放射線科透視室)

B-RTO前、尿道カテーテル挿入、左大腿動脈穿刺で腹腔動脈および上腸間膜動脈から経動脈門脈造影を実施、側副排血路を確認した。
鼠径部右大腿静脈よりカテーテル挿入するが、開始後、不整脈(房室ブロック様数分間)出現し一時中断。再度側副血行路内を往復して注入ポイントを決定、硬化剤として、モノエタノールアミンオレイン酸塩(オルダミン)を注入し1時間留置、システム抜去。 止血確認し退室。
実施中のバイタルサインズ:血圧 126~140/70~84 ㎜ Hg 脈拍 56~80回/分 体温 36.6℃ 呼吸 17回/分

モニタリング
バイタルチェック
透視室NS
三木
14:00 帰室

S: いやあ、長かった、、、疲れた。

O: 鼠径部の疼痛や固定上の出血なし 両足背動脈触知良好、左右差なし
背部痛の訴えがあり、ケトプロフェン1枚貼付 心電図モニターSR
バイタルサインズ:血圧 128/72 ㎜ Hg
脈拍 80回/分(整) 体温 36.6℃
呼吸 18回/分 SpO2 98%

A: B-RTO後、バイタルサイン安定している。
同一体位にによる背部痛に対して貼付剤使用にて効果あり、緩和している。

翌朝まで安静
ルートキープ
ソルラクトTMR500ml×2
若葉
11月7日 10:00 #2非効果的健康自主管理

S: 背中が痛くてあんまり眠れなかったよ。立ち上がる時に少し立ち眩みがしたんだ。さっき勝手に歩いてたら叱られちゃった。

O: 朝までの安静は守れているが、自ら立ったと話す。呼吸音両肺清明に聴取可能
呼吸困難感無し。足背動脈触知可能
尿1000ml破棄 尿潜血(-)
ふらつきなく、ゆっくり歩行している。
血圧 120/63 ㎜ Hg  脈拍 100回/分(整)
体温 37.1℃ 呼吸 18回/分 SpO2 96%

尿道カテーテル抜去
看護師付き添いでトイレ歩行する
ソルラクトTMR500mlキープ
オメプラゾール20㎎
静脈内投与
若林
12:00 #2非効果的健康自主管理

S: 昨日は大変だった。こんな思いしたら酒もやめられるかな。ノンアルコール飲んでれば大丈夫でしょ、つまみ食べて気分だけ味わうよ。

O: 重湯を一気飲みし、食事についてきたプリンを大きなスプーンで、数口で食べる。
食事:重湯 全量摂取
心窩部不快感・疼痛無し 悪心・嘔吐なし

A: 処置後の消化管出血リスクがあり、ゆっくり食事摂取をするように説明しても、安易な行動がみられ、合併症リスクについて説明する必要あり。

嗜好品について、栄養士と連携して指導していく

合併症リスクについての説明と、食事はゆっくり摂取するよう指導する

若林
15:00 #3非効果的健康自主管理

S: 重湯なんて食べた気がしないし、お刺身が食べたいわ。退院はいつ頃になるのかな? さっきから何だか、熱っぽいな。

O: トイレからベッドへ戻ろうとしており、室内をそろりそろりと歩いている。ふらつきなし。
血圧 119/65 ㎜ Hg  脈拍 116回/分(整) 体温 38.2℃ 呼吸 20回/分 SpO2 96%
排便:なし

退院指導について計画的に指導する
①感染予防
➁食事指導:お酒や生ものなど控えたほうが良いものについて
➂便秘予防
➃内服薬の継続
➄定期受診
➅異常時の対応
若葉
検査項目 単位 11月5日 11月5日 11月6日
赤血球 RBC ×104/μl 378 355 341
血色素量 Hb g/dl 13.3 12.6 12.3
ヘマトクリット
Ht
38.6 38.5 38.1
白血球 WBC /μl 5500 5400 9200
血小板 Plt ×104/μl 11.3 10.6 8.6
プロトロンビン時間
PT
13.5 14.1
PT-INR 1.15%
APTT
総蛋白 TP g/dl 7.4 6.9
アルブミン Alb mg/dl 3.6 3.2
総ビリルビン
T-Bil
mg/dl 1.6 2.5
dビリルビン mg/dl 0.3 0.3
尿素窒素 BUN mg/dl 14.1 11.2 10.5
クレアチニン Cr mg/dl 0.78 0.69 0.77
尿酸 mg/dl
e-GFR ml/分/1.73 ㎡ 76.7 82.8 73.4
LDH IU/L 286
AST IU/L 46 60 57
ALT IU/L 29 29 27
ALP IU/L
γーGTP IU/L 138 126 218
Ch⁻E U/L 575
総コレステロール
T-col
mg/dl 170
HDL-コレステロール mg/dl 42
LDL-コレステロール mg/dl
中性脂肪 TG mg/dl 100
血糖 92
CRP mg/dl 0.04 0.06
NH3 μg 128 124
ナトリウム Na mEq/l 141 142
カリウム K mEq/l 3.8 4
クロール Cl mEq/l 99 101
カルシウム Ca ㎎/ℓ 9.5
リン P mEq/l 3.9
尿量(1日) ml 1500 2500
pH 5.9 6.1
尿蛋白 ±
尿糖
尿潜血
ウロビリノーゲン ± ±
尿中ビリルビン
尿ケトン体
尿混濁

看護サマリー

入院中の経過
11月5日、肝硬変、胃静脈瘤の診断あり、B-RTO(バルーン下逆行性静脈的塞栓術)目的にて入院する。入院翌日B-RTO実施し、合併症なく経過した。今後、静脈瘤の再発や肝硬変の悪化がないように、食事療法・禁酒(できれば)と薬剤管理を自己で行って行く必要あり。肝性脳症のリスクもあるため排便コントロールが必要であるが、本人は疾患を安易に捉えている様子があり、退院指導(自己管理に向けて)を行い、●月△日、退院となる。
生活状況
具体的な状況
食事 エネルギー1800kcal
移動 自立
更衣 自立
清潔 自立 入浴 毎日
排尿 6~8回/日 夜間排尿:1回
排便 1~2日に1回
その他 睡眠:7時間/日
医療的処置 B-RTO後の合併症予防
生活習慣のコントロール
継続する看護ケア

運動療法:食後1~2時間の安静。体力の回復。

食事療法:3食バランスよく。食中毒に注意。禁酒を心がける。

薬物療法:内服薬の飲み忘れがないように。

排便コントロールと観便の方法(黒色便に注意)

定期受診

嘔気・腹痛・むくみ・黄疸・手の震え・吐血などの症状があれば、すぐに受診する